COLUMNコラム

Web広告のプロが教える!お金を溶かすリスティング広告運用を即座に見抜く4つの必須チェックポイント


グラシズの土谷です。

Google広告、Yahoo!広告を広告代理店にお願いしていて、こんなことってありませんか?

  • 担当者の説明に不安を感じている
  • もっと改善する余地があるんじゃないかな
  • 実はこんなに広告費を払わなくてもいいんじゃないかな?

心当たりがあるのであれば、それは広告効果を改善できる大きなチャンスです。

広告運用の内容をよくよくチェックしていくと、キーワード選定やコンバージョン設定のミスがあったり、代理店とのコミュニケーション不足により、広告費が効果的に使われていないケースは実はよくあります。

実際に弊社のクライアントは、広告費は変えずに前の代理店の運用から見直しただけで、1ヵ月で売上を2倍に改善した事例もあります。弊社が支援する中で、同様にコンバージョン数や売上が増加した例は他にも多く存在します。

Google広告、Yahoo!広告において最もメジャーな検索広告について、代理店運用のチェックポイントと効果的な質問方法について、具体的にお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

お金を溶かす広告運用を即座に見抜く!4つの必須チェックポイント

  1. 成果に直結するキーワードだけで設定されているか?
  2. インテントマッチが不用意に使われていないか?
  3. 「検索語句」機能でムダなキーワードが含まれていないか?
  4. コンバージョンが正しく計測され、その内容を把握しているか?

それぞれについて説明していきます。

チェックポイント①:成果に直結するキーワードだけで設定されているか?

4つのチェックポイントの中で、最も重要なポイントは「成果に直結するキーワードだけで設定されているか?」です。

まず最初に、検索広告を活用する上で、最も重要なことをお伝えします。

それは、世の中で検索されているキーワードは、この3種類しか存在しないということです。

  • 指名型キーワード
  • 情報収集型キーワード
  • 取引型キーワード

指名型キーワードは、特定の商品・サービス・ブランド・会社名の検索を目的としたキーワードです。

例えば弊社の場合で言えば、会社名である「グラシズ」です。

情報収集型キーワードは、文字通り、情報収集を目的としたキーワードです。

例えばリスティング広告の場合は、「コンバージョンの設定方法」、「Google広告とは」といった調べものを目的とした検索キーワードです。

最後に、最も重要なのが、取引型キーワードです。この取引型キーワードは、検索ユーザーが商品の購入や問合せを目的としているキーワードです。

リスティング広告の場合で言えば、「リスティング広告代理店」という広告運用の依頼を検討しているユーザーが検索するキーワード、「リスティングセミナー」というリスティング広告の運用を学ぼうとしているキーワードです。

検索広告で成果を上げるためには、取引型キーワードで検索している購入や問合せをしようとしているユーザーを集めることが重要です

検索ボリュームピラミッド

次に「検索ボリュームピラミッド」という概念をお伝えします。
検索ボリュームとは、Googleなどの検索エンジンで「ある特定のキーワードが1か月間に何回検索されているか」を示す指標です。
ちなみに、この「検索ボリュームピラミッド」は、土谷がオリジナルで提唱しているモデルで、ググっても出てきません。
下図をご覧ください。
このピラミッドは、日本全体で検索されている検索ボリュームを表現しています。

全体の検索ボリュームに対して、取引型キーワードは5%程度、一方、情報収集型キーワードは85%程度を占めます。
指名型キーワードはその商品・サービスの認知度によって変わり、1%~10%程度です。

仮に、「リスティング広告」に関連するキーワードが、1か月間で1万回検索されたとすると、取引型キーワードは全体の5%程度、つまり500回程度の検索ボリュームしかありません。
残りの大半を占める約8,500回の検索は情報収集型キーワードということです。

そして、検索広告で成果を上げるためには取引型キーワードに広告予算を集中投下し、成果につながりにくい情報収集型キーワードには広告を出さないことが重要です。

これ、めちゃくちゃ重要なので必ず確認してください。

チェックポイント②:インテントマッチが不用意に使われていないか?

2つ目は、「マッチタイプのインテントマッチ(旧:部分一致)が不用意に使われていないか?」です。

インテントマッチとは、設定した検索キーワードに対して、どこまで似た意味の検索語句に広告表示させるかを調整するマッチタイプという機能の一種です。

注釈)
検索キーワード:広告運用者がGoogle広告やYahoo!広告の管理画面へ登録する言葉を指す。
検索語句:検索ユーザーがGoogleやYahooの検索窓に実際に入力した言葉を指す。
検索キーワードと検索語句はこの後の説明でよく出てきますので、両者の違いをしっかり理解してください。

マッチタイプには、完全一致、フレーズ一致、インテントマッチの3つの種類があります。

マッチタイプは3種類

完全一致

完全一致は、設定した検索キーワードと「完全に一致」または「同じ意味」の検索語句に対してのみ広告が表示されます。
例)
検索キーワードを「ランニングシューズ」で完全一致で設定した場合、実際にユーザーが検索した検索語句が「ランニングシューズ」であれば広告が表示されます。また同義語である「ジョギングシューズ」でも広告が表示される可能性があります。
その一方で、「シューズ ランニング」、「ランニングシューズ おすすめ」などでは広告は表示されません。
これにより、意図しない検索語句への広告表示を防ぎ、無駄なクリックを減らす効果があります。

フレーズ一致

フレーズ一致は、設定した検索キーワードを「含むフレーズ」が検索語句に含まれる場合に広告が表示されます。
例)
検索キーワードを「ランニング シューズ」でフレーズ一致で設定した場合、実際にユーザーが検索した検索語句が「おすすめ ランニングシューズ」や「ランニングシューズ サイズ選び」には広告が表示されます。
その一方で、「サッカー シューズ」や「長靴 紳士用 」などでは広告は表示されません。
この設定は、配信したいキーワードの制御を保ちつつも、一定の拡張性を持たせたい場合に適しています。

インテントマッチ

インテントマッチは、Google広告やYahoo!広告のアルゴリズムが検索ユーザーの「意図」を解釈し、設定したキーワードと意味が類似している検索語句に広告が表示されます。
例)
検索キーワードを「ランニングシューズ」でインテントマッチで設定した場合、実際にユーザーが検索した検索語句が「子供向け運動靴」や「エアズーム ペガサス」といった特定のブランドや製品名の語句にも広告が表示される可能性があります。
この設定は多くのユーザーにリーチするのに役立ちますが、不用意に使うと、広告が意図しない検索語句に表示されて無駄なクリックが大量に発生するリスクがあります。

このようにインテントマッチは、広告を出したいキーワードから遠い意味のキーワードにも広告が表示され、無駄なクリックで広告費を浪費する恐れがあります。
誤解を恐れずにいうと、フレーズ一致、完全一致で80点の広告運用が可能です。

では、インテントマッチを使うタイミングはいつでしょうか?
それは、フレーズ一致、完全一致で一定の成果が出ており、更にコンバージョンを伸ばしたいときに、チャレンジとしてインテントマッチを利用することを推奨します。

ご自身の広告アカウントで、インテントマッチが不用意に多数設定されていないか、ご確認ください。

チェックポイント③:「検索語句」機能でムダなキーワードが含まれていないか?

ムダキーワードとは、成果に繋がりにくく、広告の費用対効果を悪化させるキーワードのことで、情報収集型キーワードが該当することが多いです。

例えば、プリウスを新車販売している販売店のWeb担当者のケースで説明します。

新車の販売店の担当者ですので、プリウスの新車を求めている方をターゲットとしたい。一方で、中古車を検索している方や、売却を考えている方は対象外としたいですよね。
そのため、広告表示したいキーワード/広告表示したくないキーワードは以下のようになります。

■表示したい取引型キーワード

「プリウス 新車」「プリウス 販売店」「プリウス 地域名」etc.

■表示させたくないムダキーワード

「プリウス 中古」「プリウス 売却」「プリウス トミカ」
「プリウス バッテリー上がり」「プリウス 寸法図」 etc.

広告の費用対効果を高めるためには、ムダキーワードを除外し、取引型キーワードに広告予算を集中させる広告運用が非常に重要です。

検索語句の確認方法

実際に検索語句を確認する操作方法をお伝えします。
Google広告の管理画面を確認できる方は、是非画面を見ながらご確認ください。

確認したいキャンペーンをクリックし、表示されたメニューから「分析情報とレポート」>「検索語句」をクリックすると、実際に検索された検索語句を確認できます。
「表示回数」を降順に並び変えると、表示回数の多い順に検索語句を確認できるのでおすすめです。

検索語句を確認し、明らかにコンバージョンにつながらないであろうムダなキーワードで広告が表示され、広告費を浪費していないかチェックし、除外してください。

注意点としては、ムダキーワードとはいえ、数か月に数回しか検索されていないような検索語句をあまりに細かくチェックするのは労力と時間に対して、費用対効果が低いのでその点はバランスを意識してください。

チェックポイント④:コンバージョンが正しく計測され、その内容を把握しているか?

「コンバージョンが計測されているか?何を当たり前のことを。。!」と思われた方もいるかもしれません。
しかし、よくよくコンバージョンの中身を精査していくと「広告代理店から報告されるコンバージョン数」と、「実際の問合せ数や注文件数、電話件数」が大きく乖離していることがよくあります。

具体的には以下のケースです。

コンバージョンの計測不備のケース

  • コンバージョンタグの設定条件が間違っている
  • コンバージョンが重複して計測されて、実際の問合せと大きく異なる

コンバージョンデータの読み間違いのケース

  • スマホの電話ボタンタップのコンバージョンがほとんどで、実際の入電数と大きく異なる
  • LINE友だち追加ボタンクリックのコンバージョンがほとんどで、実際のLINE友達追加数、LINEからの問い合わせ数と大きく異なる

広告管理画面のコンバージョン数を確認し、実際の問合せ数や注文数、電話件数と大きく乖離していないか?
また、コンバージョンの中身が、スマホの電話タップやフォームページ表示などマイクロコンバージョン(MCV)中心になっていないか注意してチェックしましょう。

補足1:
マイクロコンバージョン(MVC)とは、商品購入などの最終的なコンバージョンに至る前の小さな行動(例:問合せフォームの表示、ECサイトで商品をカートに入れる行動)のことです。マイクロコンバージョンを計測することで機械学習の学習データとして活用できます。

補足2:
広告媒体のコンバージョン計測仕様の限界で、広告経由で実際に入電まで繋がったか、LINE友達追加されLINE経由で問合せがあったか、までは計測することはできません。
電話計測システム(弊社ではCall Data Bankを利用しています)を導入すれば、入電までつながったかを計測することが可能です。
LINE友達追加は現時点では計測する方法はありません。(LINE広告の「ともだち追加広告」のみ可能です)

お金を溶かす広告運用を即座に見抜く!具体的な代理店への質問集

ここまで読んだものの「代理店さんの運用をどうやってチェックしたらいいんだろう?」と思っていないでしょうか?安心してください、この土谷が置いてけぼりにはしません!

代理店さんへの具体的な質問文まで、お伝えさせていただきます。現在運用してもらっている広告代理店さんに、次の2つの質問を行ってみてください。

代理店さんへの質問①

「過去3か月間配信した

  • 検索キーワードとマッチタイプの一覧
  • 実際に配信された検索語句の一覧

を、Google広告/Yahoo広告の管理画面からExcel形式でダウンロードしてレポートをいただけますか?
その際、クリック数、クリック率、クリック単価、コンバージョン数、コンバージョン率、コンバージョン単価が分かるようにお願いします。また、フォームCVや電話タップなど、コンバージョンの内訳が分かる形式でお願いします。」

代理店さんへの質問②

「現在設定いただいている、除外キーワードの一覧をいただけますか?」

代理店運用のチェックポイントのおさらい

上記2つの質問で、以下の観点をチェックすることができます。

  • 成果に直結するキーワードだけで設定されているか?
  • インテントマッチが不用意に使われていないか?
  • 「検索語句」機能でムダなキーワードが含まれていないか?
  • コンバージョンが正しく計測され、その内容を把握しているか?

特に重要なポイントを改めて挙げます。

  • マッチタイプがインテントマッチ中心の設定になっていないか?
  • コンバージョンの中身が、スマホの電話タップ、LINE友達追加が中心で、実際の問合せ件数と大きく乖離がないか確認しましょう。
  • 検索ユーザーが実際に検索したキーワードである「検索語句」を確認し、明らかに問い合わせや注文につながらないキーワードで広告費を大きく無駄遣いしていないか確認しましょう。

これまで説明した内容を元に、代理店さんから共有いただいたレポートをチェックしてみてください。

チェックして違和感を感じたら代理店さんへ以下のような質問をしてみてください。

「この検索キーワードを、このマッチタイプで設定している意図を教えてもらえますか?」
「この検索語句を除外していない意図を教えてもらえますか?」
「実際の問合せや注文件数と、コンバージョン数に大きく差がありますが、コンバージョンは正しく設定されていますか?」

最後に

今回は確認すべき広告代理店運用のチェックポイントと代理店への質問方法について解説しました。これらのポイントを押さえることで、広告費の無駄を減らし、代理店さんと適切な関係構築の一助となれば幸いです。

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