COLUMNコラム

Web広告の費用対効果を改善する分析例


こんにちは。グラシズ 野田です。
突然ですが、皆さまがアクセス解析を使ってサイト改善をしようとした時に、こんなお悩みありませんか?

  • Webサイトをどう分析をしたら改善できるかが分からない
  • Googleアナリティクスの何を見たらいいかが分からない
  • 分析を改善に繋げる考え方が分からない

「分析をするためにGoogleアナリティクスの使い方を学び、各機能の意味は理解できた。でも結局どのレポートを見たら改善に繋げられるのか…」 そんな状況になっていませんか?

具体的にどうすればいいのか、実際に分析した結果ややり方を見てみるのが分かりやすいんじゃないでしょうか。

分析手法の事例は世にあまり出ない

Googleが運営しているGoogle Merchandise Storeという海外のサイトがあります。

実は、こちらのGoogleアナリティクスのデモアカウントが公開されています。そこで今回はこちらを元に、一例として、広告の費用対効果の改善を目的としたGoogleアナリティクスでの分析の流れをお見せしようと思います

まずは前提条件の確認

分析対象期間 2016/2/1~4/30の3ヶ月間
分析の目的 該当期間に対象サイトへ配信されていた広告キャンペーン「AW – Electronics」の費用対効果を改善するためにはどうすればいいか

※広告の管理画面内のお話(広告文・キーワード・ターゲッティング等)は割愛します。

初期仮説
  1. デバイス毎に効果の差異があるのではないか
  2. ランディングページ毎の差異があるのではないか
  3. 間接的にコンバージョンに寄与しているのではないか

まずはこのように、対象サイトのどの期間の問題点を洗い出すのかを定めます。目的なくデータを眺め続けると、データが多すぎて整理がつかなくなるからです。

今回は例として、2016年2月から4月の3ヶ月間で、デモサイトで配信されている「AW – Electronics」という広告キャンペーンの費用対効果を上げるためにどうすべきか?を分析してみます。

前提条件を確認したら、広告の効果が何故悪いんだろう・逆に上手くいってそうなところはどこだろう、という初期仮説を考えます。

初期仮説を作る際の考え方

まず、Googleアナリティクスの基本機能である「ユーザー」「集客」「行動」「コンバージョン」の役割を理解しておく必要があります。簡単に言うと、各機能で以下のことが分かります。

  • ユーザー:誰が
  • 集客:どうやってサイトに来て
  • 行動:どのようにサイトを見て
  • コンバージョン:問い合わせたのか/問い合わせなかったのか

今回であれば、「集客」にあたる広告キャンペーン「AW – Electronics」経由のアクセスについての分析ですので、その前後の流れである「ユーザー」「行動」「コンバージョン」に課題が無いかを確認しよう、という考え方になります。

※本来はキーワードや広告文など「集客」に関わる分析も行うべきですが、広告の管理画面で見るべきポイントなので今回は割愛します。

次に、各機能の中でどの要素が大きく影響を与えていそうか?改善がすぐに出来そうか?を考えます。課題は大きなものもあれば小さなものもあります。課題を見つけて改善しても、大して問い合わせに影響がなかったり、改修期間や費用があまりに大きくかかるものでは意味が薄いです。

  • すぐ取り掛かれて
  • かつ改善インパクトが大きそうなところはどこか

まずはここに着目して分析すると、改善して成果に繋げやすくなります。

では実際に3つの初期仮説について検証をしていく流れの一例をご紹介します。Googleアナリティクスの各機能の説明は省いているので、分からない方はひとまず「こういう時に使うものなんだな」ぐらいに見て頂けたら。

実際の検証手順

仮説①:デバイス毎に効果の差異があるのではないか

①集客->キャンペーン->すべてのキャンペーンレポートを表示
②「AW – Electronics」のデータだけに絞り込むため、アドバンスフィルタに「AW – Electronics」と入力

③デバイス別の状況を確認するため、セカンダリディメンションに「デバイスカテゴリ」を選択

PCと比べスマホはコンバージョン率が低い。でも直帰率やページ/セッション等は大きく差が無いことを確認。

仮説①の結論

ひとまず、スマホ向けの配信を絞ってコンバージョン率の高いPC向けに配信すると効果が上がりそうだ、ということが言えます。かつ、明らかにスマホでサイトを見た時に問題がある(スマホ対応していない等)という感じではなさそうです。スマホで使いづらいサイトなら、もっと直帰率やページ/セッションがPCと比べ悪化するだろうと考えられるからです。

仮説②:ランディングページ毎の差異があるのではないか

①行動->サイトコンテンツ->ランディングページレポートを表示
②「AW – Electronics」キャンペーンのデータをデバイス別に抽出するアドバンスセグメントをPC、スマホそれぞれ作成

デバイス別に効果の差異が確認できたので「ランディングページもデバイス毎に異なるのではないか?」と思い立ったので、検証するためにアドバンスセグメントを使用します。

③ランディングページ(広告の最終URL)として有効なページを確認

ほぼ全てがTOPページに設定されていることを確認。かつ、他にコンバージョン率の高いページは無いことを確認。

④他に広告と関連性の高いページは無いかをサイトを見て確認

Electronicsの広告と関連の高いであろうElectronicsの商品カテゴリページを発見。かつ、過去にこのページを最終URLとして広告配信がされていないことを確認。

仮説②の結論

本来であれば「コンバージョン率の良い最終URLはどこか?」をレポート内から探し出し、そちらへの配信を強化するという改善を行います。

今回のケースでは該当するものが無かったので、広告と関連性が高く、コンバージョンにより近いページへ遷移させることでコンバージョンを増やせる可能性があるのでは?という改善案としました。

実際に配信テストをし、TOPページとどちらがコンバージョンしやすいかを比べるという流れになります。

仮説③:間接的にコンバージョンに寄与しているのではないか

①コンバージョン->マルチチャネル->アシストコンバージョンレポートを表示
②プライマリディメンションを「参照元/メディア」に変更

デバイス問わず、アシストコンバージョンの割合が高いことを確認。ただしPCがコンバージョンの7割以上を占めている。次に、アシストコンバージョンが特定の経路で発生しているのではないか、コンバージョンに繋げるパターンがあるのではないか?を確認します。

④コンバージョン->マルチチャネル->コンバージョン経路レポートを表示
⑤プライマリディメンションを「参照元/メディア」に変更し。セカンダリディメンションに「キャンペーンパス」を指定し、アドバンスフィルタに「AW – Electronics」と入力し絞り込み

「AW – Electronics」を経由したコンバージョンのパターンを確認。顕著に目立つパターンは見られない。

仮説③の結論

直接のコンバージョン以上に、間接的なコンバージョン価値が高いということが分かりました。「広告の費用対効果が悪い」と一概に判断せず、間接的なコンバージョン価値がそれ以上にあるんだという事を念頭に、費用対効果自体の見直しをすると良さそうです。

※アシストコンバージョンなどマルチチャネルレポートの使い方については、アナグラムさんの記事に分かりやすくまとめられています。

今回の分析の結論

  • ①スマホの効果が悪いので配信を絞り、PCの配信に回すことで効果が上がりそう
  • ②ランディングページ(最終URL)がほぼTOPページだけなので、Electronicsカテゴリページに変更しテストをしてはどうか
  • ③直接のコンバージョン以上に間接的なコンバージョン価値が高いキャンペーンなので、間接的なコンバージョン価値も踏まえて費用対効果を考えてはどうか

いかがでしたでしょうか

分析の流れが少しでもイメージ付きましたか?

色んなレポートを順番に眺めていても時間が過ぎるばかりなので、分析する際には目的と初期仮説を持ってデータを見に行き、データを切り分けたり絞り込んで深堀・仮説が外れていれば他の可能性を探るというプロセスが必要です。

Googleアナリティクスの機能に詳しくなることも必要ですが、このような分析の流れを身に付けて、改善に繋げてもらえたらと思います。

他の分析観点もあります

今回はあくまで分析手法の一例として紹介しましたが、課題発見のためには更に地域別・曜日時間帯別・目標到達プロセス分析や、ヒートマップツールを導入しランディングページ分析などを行っていきます。

また、GoogleアナリティクスはGoogle AdWordsアカウントと連携することで、AdWords経由のユーザーについてより詳細な分析が可能になります。こちらのご紹介はまた別の記事で行っていこうと思います。


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