成果につながる目標到達プロセスの分析方法
Googleアナリティクスを使った分析観点として、Googleアナリティクスのレポート項目に沿うと、大きく以下の4つがあります。
- ターゲット層と合っているか(ユーザー)
- 流入経路は適正か(集客)
- Webサイトは使いやすいか(行動)
- 問い合わせはしやすいか(コンバージョン)
今回ご紹介する目標到達プロセスは、4番目の「問い合わせはしやすいか」を測るためのものです。Webサイトのゴール直前の課題を見つけられるため、改善がダイレクトにWebサイトの成果に繋がる効果的な分析です。
<図1.Googleアナリティクスの基本レポート>
コンテンツ
目標到達プロセスとは
例えばECサイトで商品を買う場合、図2のように購入までに必ず通るページがあります。
この一連の流れを「目標到達プロセス」と呼び、Googleアナリティクスでは目標到達プロセスのどこでユーザーがどれぐらい離脱(カゴ落ち)しているかを計測できます。
<図2.目標到達プロセスの例:ECサイト>
目標到達プロセスで離脱しているユーザー=購入するつもりはあったんだけど、何らかの理由で離脱しているユーザーと言えます。興味を持って買うつもりだったユーザーを最後の最後で逃がすのは、とてももったいないですよね。
離脱ポイントが見つかれば、アクセス数を増やしたり他のページを改善する前に、カートや申込みフォームの改修をすることで、より早くより大きな改善成果を得られることもあります。
何故デバイス別に分析するのか
デバイス別に目標到達プロセスを比較した例が図3です。
- 緑:次のステップへ進んだ割合
- 赤:離脱した割合
<図3.デバイス別の目標到達プロセス比較>
「Step4:会員情報入力」を見比べると、スマホはほぼ問題がないのに対し、PCの場合は6割近くが離脱しているという事実が判明しました。デバイス別に分けて見ないと「どうも新規会員登録の離脱が多そうだなぁ」と分かっても、問題はPCサイトだけにあるという事が分からず、問題のないスマホサイトの入力フォームまで改修してしまうかもしれません。
こうして「Step4:会員情報入力」の課題がPCサイトにだけあると特定できれば、なぜPCの場合は離脱してしまうのかをPCとスマホのページを見比べて確認する等して、離脱理由の仮説を立てていきます。そして仮説を元に改善をし、離脱率の変化を検証、そしてまた改善と繰り返していきます。
同じ目標到達プロセスでも、PCとスマホによって
- デバイス上での見え方が違う
- キーボード入力orスワイプ入力と、フォームへの入力方式が違う
- サイトによっては入力項目が違う
という差があるため、このようにデバイス別に傾向の差は現れやすいです。
デバイス別に分析する方法
他のレポートであれば「アドバンスセグメント機能を使って、PCとスマホにセグメントすればいいよね」となりますが、目標到達プロセスにはアドバンスセグメントの適用が出来ません。
ではどうするかというと「事前にビューをデバイス毎に分けておく」ということで実現できます。
あえて「事前に」を強調しましたが、ビューは作成したその日から先のデータしか取れません。デバイス別のビューを今日作って、去年のデータを分析する、ということは出来ないんです。なので、もしまだビューをデバイス別に分けていないのなら、今すぐにでも作っておくべきです。
スマホ用のビューを作成する方法を例としてご説明します。手順は①ビューの作成、②フィルタを作成し適用の2stepです。
※フィルタを適用するために、アカウントレベルの編集権限が必要になります。
①ビューの作成
管理->ビュー から「新しいビューを作成」を選択。ビューを新しく作ります。
目標など、既存のビュー設定を引き継ぎたい場合は、以下のように 管理->ビュー->ビューの設定 から「ビューをコピー」を選択します。
フィルタの作成と適用
管理->ビュー->フィルタから「新しいフィルタを作成」を選択。
フィルタ名:「スマホのみ」など分かりやすい名前をつける
フィルタの種類:「カスタム」を選択し、条件は「一致」
フィルタフィールド:「デバイスカテゴリ」を選択し、「モバイル」
以上でスマホだけのデータを計測するフィルタが出来ました!後は同じようにPC、タブレットも作成すればOKです。
まとめ
ポイントは以下の3点です。
- 目標到達プロセスは、すぐ成果に繋がる課題点が見つかる重要・有効な分析観点
- 正しく分析するにはビューをデバイス別に作成することが必要
- ビューの設定は過去のデータに反映されないため、すぐにでも作成しておくべき
私たちが分析を行おうとしても、デバイス別にビューが分けられていないため目標到達プロセスの分析が行えない、ということが本当によくあります。
分析手法を知ると同時に、分析できる環境作りにも取り組もうと思って頂けたら幸いです。