COLUMNコラム

リスティング広告運用のインハウス化の成否を分ける条件


「社内に知見を蓄えたい」「PDCAをより高速化したい」「代理店マージンを削減して新しいチャレンジに充てたい」など、インハウス化を検討する背景には様々な期待が伺われます。

しかし、短絡的にインハウス化を進めてしまうと、「唯一の専任者が退職してしまった」「成果が悪化してしまった」といった失敗パターンに陥りがちです。

本記事では、広告運用業務だけでなく経営資源の観点でインハウス化を成功させるポイントを解説いたします。

1. リスティング広告運用のインハウス化の成否を分ける条件

リスティング広告運用のインハウス化を成功させるためには、下記にあげる経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の条件をクリアすることが重要です。

  1. 広告予算が200万円/月を超えていること(カネ)
  2. 複数人の運用体制を構築すること(ヒト)
  3. 自動化ツールを徹底活用すること(モノ)
  4. 情報収集のネットワークを構築すること(情報)

01. 広告予算が200万円/月を超えていること(カネ)

インハウス化を検討する判断基準として、広告予算200万円/月を目安にするとよいでしょう。インハウス化することで、広告代理店へ支払う運用手数料を削減できる反面、採用・育成など社内リソースに充てるべきコストが新たに発生するためです。

例えば広告予算200万円/月の場合、一般的な運用マージン20%だと運用手数料は40万円/月に上ります。この運用手数料が高額であればあるほど、社内リソースに代替できる予算に余裕が生まれます。

短絡的なコスト削減は売上減につながるリスクもありますので、インハウス体制を継続させるために十分な投資ができるかどうかを判断基準に置きましょう。

ケース①:削減できる運用手数料 ≧ 社内リソースに充てるコスト
インハウス化を検討し、広告運用の効率化を図る

ケース②:削減できる運用手数料 ≦ 社内リソースに充てるコスト
広告代理店の協力を得ながら、広告成果の向上に努める

02. 複数人の運用体制を構築すること(ヒト)

専任・兼任合わせて2〜3人の運用体制を組むことで、業務の属人化に依るリスクを低減しましょう。

例えば、担当者が一人だった場合、その人が退職することで、広告成果が悪化してしまったり知見がリセットされ、インハウス体制が継続不可になってしまうケースもあります。

複数人での運用は上記のような属人化リスクを回避する他にも、下記のようなメリットが挙げられます。

  • 二重チェックの環境整備
  • 突発的なトラブルの対応スピード向上
  • チーム間で知見の共有
  • 運用業務の負担軽減

03. 自動化ツールを徹底活用すること(モノ)

広告運用のパフォーマンスを高く保つために、自動最適化の活用は必須です。

以前は毎日手動で行っていた細かいチューニング作業を機械学習に任せられるようになったことで、下記のようなメリットが生まれ、インハウス化の敷居をぐっと下げることができます。

  • 運用担当者に求められる技術ハードルが下がる
  • 運用作業に必要な時間を短縮できる
  • 広告のパフォーマンスを高く保てる

また、レポーティング・進捗管理作業も自動化サービスを用いることで、単純作業に要する時間を短縮し、より本質的な業務に集中することが可能です。

04. 情報収集のネットワークを構築する(情報)

日進月歩のWeb広告業界では、いかに情報をキャッチアップするかも重要となります。

運用代行を依頼している場合は広告代理店に任せておけば良かったですが、インハウス運用する場合は自社で各媒体の最新情報や活用方法、トラブルシューティングといった情報を能動的に収集する必要が生じます。

以上4つの条件をクリアできる見込みがあれば、インハウス化の検討を推奨します。

難しい場合はインハウス化を長期的視点で捉え、広告代理店と上手に付き合いながら段階的にインハウス体制を整えるのも一手です。

次章では、インハウス運用と広告代理店による運用代行のメリットとデメリットを比較します。

2. インハウス運用と運用代行のメリット・デメリット

インハウス運用と運用代行は、どちらにもメリット・デメリットが存在します。

インハウス化を本格化させる前に、事前にデメリットもしっかり把握しておくことで、想定外のトラブルを未然に防ぎましょう。

インハウス運用のメリット・デメリット

メリット

  • 運用代行手数料が不要 
  • サービス・顧客理解の深い社員が運用する
  • PDCAを早く回すことができる
  • 社内にノウハウが貯まる

デメリット

  • 人材育成にコストがかかる
  • 属人化しやすい
  • 自社で成否を判断する必要がある
  • 自社で最新情報をキャッチアップする必要がある

運用代行のメリット・デメリット

メリット

  • 社内リソースがほぼ不要
  • 広告運用のプロが担当する
  • 委託先によっては広告運用+αの支援が可能
  • 最新情報・知見が豊富

デメリット

  • 運用代行手数料がかかる
  • 自社人材に比べて事業理解が浅い
  • 複数案件を担当するため緊急対応が難しい
  • 自社内にノウハウが貯まらない

デメリットの方が強い場合は無理にインハウス化せず、広告代理店の協力を得ながら成果を上げることに注力することも一つの手段です。

3. インハウス化を着手する際の注意点

インハウス化を成功させるためには、まずは運用難易度が低い広告メニューから着手することが重要です。各Web広告メニューの運用難易度を把握せずにインハウス化すると、自社内で対応できなかった、残業時間が増えてしまった、広告パフォーマンスが悪化した、といった失敗パターンに陥ります。

数あるWeb広告メニューにおいて、最も運用難易度が低いのはGoogle、Yahoo! JAPANが提供している検索広告です。検索広告はその他の広告メニューと比較して下記のような特徴が挙げられます。

  • 文章主体の広告なのでデザイン作業が不要
  • 能動的に情報収集しているので自社商材への興味関心度が高い
  • 検索語句から情報ニーズを推測できる

一方、複数バナー・LPのクリエイティブテストが求められるディスプレイ広告は、広告運用作業が増加するだけでなく制作スタッフも要するため、インハウス化するためには十分な社内リソースが必要です。

社内の体制に不安がある場合は、まずは検索広告のインハウス運用から試運転してみましょう。

4. インハウス化を実現する方法

成否条件やメリット・デメリットを把握したら、貴社の状況に応じて最適な実現方法を選定しましょう。

インハウス化支援サービスを活用する方法

Web広告代理店などが提供しているインハウス化支援サービスは、上述のデメリットを補完しながらインハウス体制を構築することが可能です。

社内の広告運用の知見が乏しい場合、広告予算が200万円/月を超えている(運用代行手数料を支援料に充当できる)場合は、インハウス化支援サービスを活用することでリスクを抑えて効率良くインハウス化することが可能です。

独力でチャレンジする方法

低予算であったり、これからリスティング広告をはじめる場合は、まずは独力でチャレンジしてみるのも一手です。手探りな状態が続きますが、インハウス化に向けた課題が明確になり、運用代行を依頼すべきか自社運用すべきかの判断も付きやすくなるメリットもあります。

最近では比較的安価な広告運用自動化ツールも充実してきましたので、これらを上手に活用して執るべき方針を見定めましょう。

5. まとめ

リスティング広告運用のインハウス化は、広告運用業務だけの狭い視点で検討すると失敗しがちです。インハウス化を成功させるためには、下記の経営資源視点で検討することが重要です。

  1. 広告予算が200万円/月を超えていること(カネ)
  2. 複数人の運用体制を構築すること(ヒト)
  3. 自動化ツールを徹底活用すること(モノ)
  4. 情報収集のネットワークを構築すること(情報)

また、インハウス運用と運用代行のメリット・デメリットはトレードオフの関係にあるので、現体制の強み弱みをしっかり把握した上で、段階的なインハウス化ロードマップを策定しましょう。

株式会社グラシズでは、リスティング広告の運用代行インハウス化支援のどちらも承っております。インハウス化を視野に入れた運用代行支援も可能です。

貴社にとってインハウス運用が最適かどうか判断しかねる場合は、無料の個別相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。


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